聖バキータの言葉
聖バキータの言葉は、私たちを強くし、信仰の気付きと、勇気をもたらしてくれます。彼女の力強い信仰の言葉を味わいましょう。
霊性の泉から
「私が死ななかったのは、この私を素晴らしいことのために用いようとされた、主の奇跡なのです。」
「人々は私の過去を聞くと、かわいそう...かわいそう...と言います。でも、もっとかわいそうなのは私を苦しめた人です。私を誘拐し、ひどく苦しめた人に会ったら、跪いて接吻するでしょう。あのことがなかったら、私は今、キリスト者でも修道女でもないからです。」
「私の同胞のところに飛んで行き、主のいつくしみを皆に伝えることができるなら!」
「わたしは父の顔を思い出しません。傷つき、無力な人の泣き叫ぶ声をさらけ出して小屋にいました。主よ、あなたのうちに父を見出すことができます。そして、わたしが失ったすべてのなつかしい人たちと共に父を思い出します。」
「わたしは空を眺めました。空はわたしの美しい緑の森に鮮やかに微笑みかけて います。こんな美しいものをお造りになったのはどなたでしょう、と自問していました。今、それをわたしは知っています!」
「主がお望みのところにわたしを置いてくださいますように。主と共にいる時、主がお望みのところにいる時、わたしはどこでも幸せです。」
「主は18歳からのわたしをお裁きになるでしょう。その前は何もありません。なぜなら、洗礼は何もかも取り除きましたから。」
「わたしをさらった奴隷商人たちや、不当に激しい苦痛を与えた人たちに、もし逢えたら、わたしは跪き、彼らの手に接吻するでしょう。…
かわいそうな人たち… 彼らは何もわからなかったのでしょう。」
「おなかが空いていて、食べ物がそばにある時に、わたしは決して頂きませんでした。なぜなら、心の中でそのことをするのは正しいことではないと感じていましたから。」
「主はわたしをとても愛してくださいました。わたしは泥の間を通り抜けましたが、一度も汚されることはありませんでした。神の恵みにより常に護られました。最高の御者に護られていました。」
「そのとおりです。主よ、まさに そのとおりです。わたしは主のもの、主の家のものです。」
「わたしは泥の中にいました。わたしは汚されることはありませんでした。神の恵みにより常に護られていました。聖母マリア様がわたしを守ってくださいました。マリア様のことは何も知りませんでしたが。」
バキータの証言
「その一人が荒々しく片手でわたしを捕まえ、もう一方の手で腰に 差していた大きな刀を引き抜きわたしの脇腹に突き立て、威張った声で 『大声を出すとお前の命はないぞ、さあ おとなしくついてくるがよい』と、わたしに命令しました。もう一人の男は、わたしの背中に銃を向けて無理やりわたしを歩かせました。」
「彼は、すぐさま わたしたちを旅立たせました。わたしは、どこへ連れられていくのかわかりませんでしたが、草原、空、水、そして自由に空気を呼吸できる喜びは、少しばかり生きる力を与えてくれました。旅は八日間続きました。わたしたちは森や谷、砂漠をいつも徒歩で旅を続けました。 村々を通り過ぎるごとに、キャラバンはますます膨らんでいきました。」
「もし誰かがしゃがんだり、立ち止まったりするものなら大変なことに なります。哀れな彼らの首、そしてまた仲間の首、皆の首の周りは、鎖で深くえぐられ、傷でただれ、同情を禁じえませんでした。何とかわいそうな人たち… まるで荷物運搬用の駄馬のよう… 」
「ある日、どんなことだったか思い出しませんが、主人の息子に対して大変な失敗をしてしまいました。彼はすぐさま、私を鞭打つために革ひもをつかみました。私は彼の姉妹の後ろに隠れるために、別の部屋に逃げ込みました。ああ、私はなんてことをしたのでしょう。彼は逆上し、そこから私を力づくで 引きずり出し、床に投げつけました。皮鞭と足で数えきれないくらい打ったりけったり、最後には左横腹を足で蹴飛ばし、半死半生のまま放って置きました。私は気絶し、何もわかりませんでした。気を失ってしまいました。女奴隷たちが私の粗末なベッドに寝かせてくれたに違いありません。私は一か月以上もベッドに横たわったままでした。」
「主人の名誉のために、奴隷たちは身体に刺青した特別の印を受ける習わしがありました。ある日、この残酷な技術の専門の女がやってきました。… 女は、私の胸に6個切り傷を入れました。それから、腹部に60個、右腕に48の切り傷を入れました。私はどんなに感じたか、言葉では言い表すことはできません。刺青の一瞬一瞬が死ぬ思いでした。特に、切り傷に塩をすり込むときの苦痛は極限です。血の海に浸かっている私を寝床に寝かせてくれました。私は何時間も気を失ったままでした。… 意識を取り戻した時、私の傍に仲間たちを見つけました。思うに、彼女たちも激しく苦しんでいるようでした。一か月以上も藁の上に横たわったままでした。私たち三人は身動きもできず、塩のために半開きになっている傷から流れる水を拭くための小さな布切れさえもありませんでした。 」
「わたしをすばらしいことのために定めておられた主の奇跡によって、死ななかったのだとはっきり言うことができます。」
「わたしには自分の名はありませんでした。子供の時に拉致され、売られた時にショックを受けた、あの悲劇的事件の苦痛で名前を忘れてしまっていました。若者になった時に名前を頂きました。洗礼の時に頂いた名前、バキタです。」
「どれほどの黒パン、ただ夢の中で、涙にぬれて。どれほどのパン - 他の人たちの - ひどい目にあって… しぶしぶ与えられた… 」
「あの時は、本当に幸運でした。新しい主人は非常に善良で、わたしのことをたいへん大事にしてくれました。わたしの任務は、家事の仕事で女中を手伝うことでした。わたしは小言、罰、殴打などを受けませんでしたので、こんなに深い平和と静穏の中に生活できることが、本当のようには思えませんでした。」
「わたしはなぜだかその理由は分かりませんが、イタリアという言葉を聞いて主人について行きたいという強い願望が湧いてきました。実は、それまで イタリアという国が美しく、うっとりと魅せられるような国であることなど全然知りませんでした。彼はわたしのことを大事にしてくれていましたから、わたしも思い切って彼と一緒にイタリアに連れて行ってくれるように、お願いする勇気が持てたのです。彼はわたしに旅は長く、費用がかかることを説明して言い聞かせました。それでも、わたしは言い張って聞きませんでしたので、最後にはわたしの願いをかなえてくれました。神様がイタリア行きを望んでおられたのです。そのことは、ずっと後になって分かったことですが、… わたしはあの時経験した喜びを、決して忘れることができません。」
「かわいそうな人たち、彼らはわたしをとても傷つけているということを知らなかったのです。彼らはわたしの主人、わたしは彼らの奴隷でした。」
「わたしはアフリカに帰ることはできません。主へのわたしの信仰を守ることができないからです。わたしはミキエリ夫人を慕っておりますし、小さなミンミーナを愛しております。しかし、わたしは神様を捨てることはできません。」